教育 勅語とファシズム

教育 勅語は、当時の日本の統治者であった明治天皇が、教育や国のあり方についての理念を示したもので、本来の趣旨からすれば軍国主義とは相容れないものだったはずだ。
しかし、1930年代、天皇そのものも、そして教育勅語も、国民教育の思想的基礎として、軍国主義の聖典、経典のひとつとして利用された。
教育勅語をどのように読むかが定められ、もし校長が読み間違いなどすると、進退問題にもなった。
教育 勅語の写しが、ほとんどの学校で、天皇皇后の写真である「御真影」と、一緒に保管されていた。保管場所は校舎とは別で、奉安殿、奉安庫という特別な場所が求められた。

教育 勅語は、全文の暗誦を命じられていた。そして、1938年の、いわゆる国家総動員法が制定される時には、教育 勅語は、「非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません。」「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」が、国家総動員法を正当化するのに使われた。

じいちゃんとか、キヲツケ!で聞いていたっていうしなあ。
戦争を経験し、教育 勅語を暗誦してきた世代の方々、戦地へあるいは内地にあっても空襲の危機にさらされていた方々に、多くの家族や友人を失った人々にとって、教育勅語は痛みなくして思い出すことができないものなのかもしれない。

教育勅語が、昭和20年までの軍国主義の聖典、教典として利用された事実は忘れてはいけないだろう。

だが、明治という植民地化されるかもしれないという危機のある時代の中で、祖父母、曽祖父母達の時代が、どうであったか、何を考えて生きてくれたのか、教育 勅語だけではないが、時代を理解するうえで、迎合しすぎた教育 勅語の意訳ではなく、いたずらに本来の意図を見ようともせず否定するだけでもなく、冷静に、理性的に考えてみたいのだ。
俺たちの、じいちゃん、ばあちゃんだって、一生懸命生きてきた。俺はそう信じたい。

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2017年3月の追記
大阪の森の狂人学園のせいでしょうか、なんだかアクセスが増えています。数年ぶりに読み直し、ちょっと追加してみようと思います。 ここまで、お付き合いくださったならお気づきでしょうが、俺は、天皇家、皇室に