教育 勅語の国民道徳協会訳文の何が意訳なのか 3

教育 勅語の国民道徳協会訳文の次にいくが

国民の皆さんは、子は親に孝養を尽くし、兄弟・姉妹は互いに力を合わせて助け合い、夫婦は仲睦まじく解け合い、友人は胸襟を開いて信じ合い、そして自分の言動を慎み、全ての人々に愛の手を差し伸べ、学問を怠らず、職業に専念し、知識を養い、人格を磨き、さらに進んで、社会公共のために貢献し、また、法律や、秩序を守ることは勿論のこと、非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません。

まあ、このあたりは、あまり教育 勅語の、ひどい意訳のない部分かと思う。当たり前の人間のそなえるべき徳目についての話だし。

教育 勅語の、このあたりの訳文に違和感を感じるのは

一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ

が、原文にない平和と安全が入っているくらいか。天壤無窮の皇運を扶翼すべしが、誤解されると感じたのだろうが・・。ぶっちゃけ、どう書こうと、教育 勅語のこの部分が、軍国主義、ファシズムに悪用された事実は変わらない。
教育 勅語の訳文とするなら、姑息な操作は、いっそ、やらんほうがいいだろう。

両親の尊敬は、東洋の思想でもあるが、キリスト教やイスラム教などでも説かれているのだが、それを教育の目的の一つとしているのは、例がないそうだ。当たり前・・のこと・・なのだろうな。教育 勅語は、1907年に、文部省が教育勅語を英語に翻訳し、各国語にも翻訳され、ヨーロッパなどにも紹介されている。
ファシズムに直結する国体云々は、当然拒絶されてはいるが、100年後の2006年国際人権法に基づいたジョグジャカルタ原則の第16条の教育の目的の中に、両親や家族の尊敬、として掲げられるような影響を与えているという。

教育 勅語に限らず、戦前にあった道徳観、倫理観は、すべて否定された。国のため捧げよと死に駆り立てられたのが解放されたことは、素晴らしいことではあるが、一緒に、大事なものまで、価値を検討することなく、否定し捨ててしまっているのは、もったいないことだと思う。

東日本大震災の原発事故の対応にあたった人たち、「非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕」したと言えるんじゃないのか?
命を危険にさらすことを誰も望んでいなかったとは思うけど、俺は、感謝を忘れないようにしたい。

教育 勅語の問題点とされることに、臣民は国民を家来とみなしていてけしからん・・というのがある。
いやいや、だってその時代、憲法上そうでしたから。
その通り、家来ですwそりゃ、そう書くでしょw他に書きようがないw

フランスの王朝が革命によって否定され倒された。当時の人達に「ベルサイユ宮殿の中には素晴らしい文化があるのだ」と言っても、「ふざけるな、生きることが先だ」と王政復古の国王派として殺されているだろう。
しかし、今、ベルサイユ宮殿やその文化や芸術は、料理やマナーなど様々に影響を与え評価されているだろう。フランスの王朝文化から、学ぶべきことを学ぶ努力はされていると思う。

もう、いいんじゃないだろうか?
明治と言う時代、激動の諸外国から植民地にされようとしていた、国が滅びるかもしれないという危機の中にあった。教育 勅語はその中で生まれている。
ヒステリックに否定するのではなく、評価すべきものは評価し、忘れている日本人としての何かを、考えてもいいのではないだろうかと思うのだ。

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2017年3月の追記
大阪の森の狂人学園のせいでしょうか、なんだかアクセスが増えています。数年ぶりに読み直し、ちょっと追加してみようと思います。 ここまで、お付き合いくださったならお気づきでしょうが、俺は、天皇家、皇室に